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産業保健看護の定義に関するご意見をお寄せください → パブリックコメントでいただいた意見について掲載しました

以下の産業保健看護の定義をお読みになり、下記のフォームからご意見をお寄せください。

<産業保健看護の定義>

「産業保健看護の目的は、健康と労働の調和を保つことであり、ひいては労働生産性の向上および持続可能な社会の実現である。その対象は、すべての労働者および事業者であり、個人のみならず集団・組織を含む。

産業保健看護専門職は、目的の達成に向け、経営的視点を念頭におき、公平・公正な立場から事業者と労働者の自主的な取り組みを支援する。そのために、系統的な情報収集及びアセスメントにより抽出された個人、集団、組織の健康課題を連動させながら、課題解決に向けて、関係する人、職場や機関と連携をはかり協働する。また、労働に関連した健康障害の予防、労働者の生涯にわたる自律した健康行動の確立、労働者が健康で安全に働き続けることができる職場環境の改善や職場風土の醸成、しくみづくりに寄与する。」

ご意見収集の期間は、9月6日(月)~9月30日(木)まででお願いします。(受付は締め切りいたしました。)

貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。

皆様からいただきましたご意見を参考にさせていただきます。
お忙しい中、対応いただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。


産業保健看護定義案に関するパブリックコメントについて

  • 実施期間:2021年9月8日(水)~9月30 日(水)
  • 受付人数:22名 ●意見件数:23 件

貴重なご意見ありがとうございます。今回のパブリックコメントにおいて、「看護の独自性」「産業保健看護と産業看護の違い」について複数のご意見をいただきました。新定義の中にこれらのご意見をどのように反映させるか、ワーキンググループにて検討させていただきます。そのほか、いくつかの項目についてもご意見をいただきましたので、いただいた意見についてはすべてワーキンググループにて検討させていただきます。

定義の検討過程の公表等についてご意見をいただきました。これまでに産業看護部会の総会や自由集会、ニュースレター、また2021年9月に開催した日本産業衛生学会産業看護部会学術集会において定義の検討過程についてはご説明しておりますが、引き続き丁寧な説明を心掛けていきます。なお、最終的な定義については、検討過程、策定の意図や定義に含まれる意味等について文書での公表を予定しております。

以下、パブリックコメントでいただいた意見について掲載いたします。


定義の中に「看護」が含まれていません。また、定義は読み手に分かりやすい方がよいと思います。「健康と労働の調和」に含まれる意味が多く、その表現を使われた意図がわかりません。なお、産業看護活動は「労働生産性の向上」に寄与するのだと思いますし、「持続可能な社会の実現」の意味するもの(健康で安全に働き続けられることができることですか?)が分かりにくいと思います。 なぜ、このような定義とされたのか、説明があると意見を述べやすくなると思います。


ご検討ご提案ありがとうございました。産業看護職が何ができるかアピール度の高いわかりやすい表現を追求されていらっしゃる感じがしました。
「産業保健看護の目的は、健康と労働の調和を保つことであり、ひいては労働生産性の向上および持続可能な社会の実現である。」全くその通りで異論はありません。
しかしながら、少し飛んでいるような気持ちがしてしまうのは私だけかもしれません。看護職の大切な何かがぶっとんで表現されていないような。そんなざわざわが残りました。申し訳ありません。「いつも対象に寄り添い、ともに悩み考え、目指すは個人と集団/組織の健康と幸福の追求。」
定義は、産業看護職の心のよりどころになるものと思います。大切なものは後輩につないでもらいたいものは、なんなのかなと考えます。五十嵐先生が最近の看護職が健康経営に寄りすぎていることを懸念されてる発言をされていました。私も僭越ながら同感です。大切なもの伝えていきたいです。


拝読し、日々の活動を承認されたような、うれしい気持ちになりました。本定義で、公衆衛生看護の視点が盛り込まれ、専門職としての共通指針になると感じます。しかしながら、産業保健師間でも差があり、時に「看護職」としての理念や倫理を見失う場合が見受けられます。看護協会に所属していない保健師が多いのも現状です。看護職として、働く場がどこであっても、理念と倫理は当然のことですが、そのことを見失わないために、注釈などに入れていただけるとありがたいです。よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。


産業保健看護の定義ということですが、産業看護の定義はどうなるのでしょうか。産業保健は様々な専門職がチームで活動し、産業看護職は。チームの一員として看護専門職の立場で活動する専門職です。これまでの産業看護の定義では、看護専門職の定義であることが明確でしたが、検討中の定義では、産業医や衛生管理者、労働衛生コンサルタントなど、看護職以外の産業保健チームのどの専門職にも当てはまる内容となっており、看護専門職としての専門性の内容がみあたりません。看護専門職としての記載があることが必要であると思います。


時代の変化により改定することはあっても、産業看護の専門性・独自性、質の担保、看護の理念を盛り込むことは必須であると考えるが、改定案ではそれらが示されていないと感じられた。
また産業保健と産業看護の区別が不明瞭、産業看護職は産業保健の学際的なチームの中で、看護学をベースにした一員であるが、そのことが明確でない内容になっている。産業看護職の具体的な活動内容は、時代とともに変わることは当然であるが、理念を表す、産業看護の核(看護の理念に基づいた活動)となるものは、現在も変わっていないと思う。


後半は具体的な行動や役割を示しているのかなと感じました。学生実習を受け入れたときに産業看護とは、臨床の看護と同じ部分は何か、また産業の分野ではどこが独自的なものなのか説明できるような定義だとありがたいなと思っています。看護とは相手の反応や状態を観察などを通して的確にアセスメント、判断し、ケアをする、医師とは違う部分が明確だといいな、一言で言うならなんだろうと思いながら受け入れをしていたりしています。


・【産業看護】の定義が、【産業保健看護】の定義へと変更されるという理解でよろしいでしょうか?
または、それぞれ別の独立した定義として存在することになるのでしょうか?
・初学者にとっては、定義を学ぶことから始まります。そもそもの前提ではありますが、看護師の基本的責任や倫理を基盤にこの定義がある旨を明確に記載されることが望ましいと考えます。
・上記(看護師の基本的責任や倫理を基盤にこの定義がある旨を明確に記載されること)により、産業保健分野における看護の独自性・専門性を示すことができるのではと考えます。
・今回の定義案が策定された経緯(メンバー、手法、期間、検討内容等)を公開いただければと思います。
・今回のパブリックコメントを公開いただくと共に、今後どのように活用されるのかをお示しいただければと思います。


パブコメありがとうございます。産業保健看護の定義への意見を述べさせていただきます。
1. 看護専門職の定義になっていないように思いました。多様な専門職等と連携・協働して進める産業保健の中で、我々は看護専門職として役割を担うべき存在であるはずですが、その部分が削がれてしまっています。
2. ILO/WHOの産業保健の目的4つのうち1つ(健康と労働の調和を図る)のみが示されていることの意味が理解できませんでした。
3. 「産業看護職は・・」の文章の最初に「経営的視点を念頭におき」とありますが、我々が最も大切にするのは、人間であり、看護職は人間の反応を大切にする専門職です。経営的視点は必要ですが、それが最初ではないと思いました。
4. 定義とは、哲学や理念を表現するもので、我々の活動の拠り所になる大切なものです。そのため、多様な立場の方々の意見を聞き入れながら、慎重なご検討をお願いいたします。なお、これまでの検討の経過についても議事録の開示などを行い、公表をいただけますと経緯が分かり理解も進むと思います。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。


長らくご検討いただきありがとうございました。
以下に私見を3点述べますので、ご検討いただければ幸いに存じます。

「経営的視点を念頭におき」と始まることの意図はわからなくはありませんが、新定義によって「経営」ばかりに目を向けがちになる人も出てくるかもしれません。わかり切っていることですが「看護学に立脚している」とわかる何等かのキーワードが残っていて欲しいと思います。(例:事業者と労働者の自主的な取り組みを看護学に立脚して支援する)「課題解決」は単に「問題解決」と同義にのみとらえる人も多いので、「健康課題の解決もしくは達成に向けて」と変更できないでしょうか。
「健康行動」は、あえて「健康」を強調されたのでしょうか? あるいはわかりやすさのためでしょうか。「健康行動」よりも「保健行動」の概念の方が幅広く、産業保健を看護の立場から推進する「産業保健看護」の定義としては「保健行動」のキーワードを用いるのが望ましいと考えます。
以上


・産業看護学を学ぶことは、まずこの定義を学ぶことから始まると考えます。
特に初学者のためには、この定義が、看護の倫理や基本的責任に基づいていることを明確に記載されていることが、より理解しやすいのではと考えます。
・上記、看護の倫理や基本的責任を明確に示すことで、産業保健分野における看護の独自性や専門性を示すことができるのではないかと考えます。ご提案された定義案では、【看護】が伝わりにくいように考えます。
・【産業看護】と【産業保健看護】との違いをお示しいただければと存じます。
定義はぞれぞれ独立して存在することになるのでしょうか?もしくは、産業看護学においては、定義が新しく変わると理解してよいのでしょうか?
・この定義案が作成された過程(ディスカッション・意見収集等)を公開いただきたいと存じます。
・今回収集されたパブリックコメントを今後どのように活用されるのか、お示しいただければと存じます。


1.「産業看護」の名称を「産業保健看護」に変更するということでしょうか。その理由は何でしょうか。
2.「産業看護職」を「産業保健看護専門職」とする理由やその違いは何でしょうか。
3.「産業保健看護の定義」の内容には、目的と対象が明記されていますが、定義としては分かりにくいと思います。
4. 産業保健チームの一員として、看護職の役割、独自性が一般の人たちや社会の中で多くの人たちに分かりやすく、周知していくことが重要ではないでしょうか。産業保健と産業保健看護に混乱を招かないようにする必要があるように思います。
5. これらの名称や考え方は、日本産業衛生学会の中だけで使われるものと示されているものなのでしょうか。


ご提案の定義、拝見しました。
定義は、理念を表しますので、その観点から、意見を述べさせていただきます。
一つは、産業保健と産業看護の関係がはっきりしないと思います。産業保健はいろいろな専門職がチームで活動し、産業看護はそのチームの一員として看護専門職の立場で活動するものだと思います。その意味では、産業看護の定義は、看護専門職の定義だということがはっきりしなければなりませんが、それがはっきりしません。この定義ですと、産業医、衛生管理者、労働衛生コンサルタントなど、産業保健チームのどの専門職にも当てはまるものだと思います。
それから、このような大事なことはパブリックコメントに出す前に、十分な部会での審議が必要だと思いますが、パブリックコメントの前に、部会の幹事会でどの程度ディスカッションがなされ、どのような意見があったのか、プロセスを含めて明らかにしていただくと助かります。定義は、産業看護専門職のよりどころとなる大切なものですから、今後の専門性の向上といった観点からも、しっかりと考えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


・産業保健看護の目的の部分は、今そしてこれからの産業保健を意識した表現になっており、このままで良いと思う。のみならずは不要 個人・集団・組織を含む。

・産業保健専門職の活動の部分は、後段の「労働に関連した健康障害の予防、労働者の生涯にわたる自律した健康行動の確立、労働者が健康で安全に働き続けることができる職場環境の改善や職場風土の醸成、しくみづくりに寄与する」を前段に持ってくる方が良い。

・また、「産業保健看護専門職は、目的の達成に向け、経営的視点を念頭におき、公平・公正な立場から事業者と労働者の自主的な取り組みを支援する。そのために、系統的な情報収集及びアセスメントにより抽出された個人、集団、組織の健康課題を連動させながら、課題解決に向けて、関係する人、職場や機関と連携をはかり協働する。」とした方が良いのではないかと考えます。


産業保健看護の目的に、「健康と労働の調和を保つ」だけではなく、「いきいきと働くことを支援する」ようなポジティブメンタルヘルスに関わる要素が入っていると良いのではないかと思いました。


以前のものよりも、現代社会で産業保健看護職に求められる重要な表現が盛り込まれており、とても素晴らしい内容だと思いました。
2点ほど細かな点ですが、下記のような修正案はいかがでしょうか。「労働生産性の向上および持続可能な社会の実現」⇒「労働生産性の向上および持続可能な経営や社会の実現」
理由として、上記は個人(組織)と社会に関する表記ですが、急にレベル感が変わるので、個人(組織)、企業、社会のようなステップを踏むような表現にしてはどうかと思いました。「労働者の生涯にわたる自律した健康行動の確立」⇒「労働者の生涯にわたるヘルスリテラシーの向上」
理由として、健康行動よりもヘルスリテラシーの方が包括的な概念であり、重要度が高いと考えたからです。

どうぞ、よろしくお願いいたします。


定義分を読んでみて感じたことをまとめてみました。
健康と労働の調和について、調和という言葉を選択した根拠が個人的に知りたいです。
(調和、バランス、融合、協調等同義語が多い言葉なので。概念分析をされているのであれば、自分の学びのためにも教えて頂けたら勉強になります。)
産業看護の目的と産業看護とはなんぞや、というところが、この文章では一緒になっているので、産業看護とは何かというところを演繹的に示していただき、その目的が何なのかを別だしにしていただく方が、現場で働く人間にとっては専門性の確立につながるのかな、と感じます。
持続可能な社会の実現については、最終的な目的ではなく、目標(全人類の)ではないかなと思います(言葉のセレクト)。
以上になります。宜しくお願い致します。


①「経営的視点を念頭におき」を「公平・公正な立場から」の後に持ってきた方が、会社側の人という印象に誤解されないのではないか 
②しくみづくりに寄与する → しくみがなぜひらがななのか。ちょっと可愛らしい印象になる。 システム構築などにしてはどうか。


よくまとまっており、過不足ないと感じました。


専門職としてどのように活動したら良いのか、また、新しい定義、目的の達成に向けて詳細で、非常にわかりやすいと思います。


「産業」と名がついても、労働生産性や経営とは切り離した立場であって欲しい。
地域保健にかからない人たちのサポートとして、且つ労働現場による健康障害を防ぐ専門家としての立場であり、所属労働者のみならずその家族の健康までも見守り増進する立場が産業保健師であると考えています。
労働者の健康を守る立場として、企業の利益相反になる事があるかもしれませんが、企業の人事や利益とは離れた立場に立つ資格者であると担保をするのも看護協会の大事な役目なので、よろしくお願いします。


 いつも活気ある活動をしてくださり、ありがとうございます。
産業保健看護職が専門性を発揮して働く場合、専門職、企業人といった特殊な立場のバランスが難しいと考えています。専門性を発揮するため、看護の方法論の専門知識や経営・企業組織の知識が必要ですが、経験から感じていることは対象者・対象組織の信頼のベースとなるのは見えない資質であるホスピタリティや誠実さなどの人間性も重要であるということです。もしかすると暗黙知で存在しているのかもしれません。今後テレワーク、業務のAI化が進む中、つながりをつくるためのその資質は機械にかえられない人間の強みであると考えます。
ここをこうしたほうが良いとの具体的な意見ではありませんが、この定義を見たときに現在働いている産業看護職のモチベーションがあがるような、若者が産業看護職を目指したくなるような、また労働者の方・その組織が一緒に働きたくなるような定義であることを期待しております。
また、産業看護職の今後のさらなる発展のためには産業医の専門性との相違も視野にいれなければならないと考えます。
まだまだ自分は勉強不足の身であるため産業看護の専門性について経験とともに考えていきたいと思っております。


産業保健とは、労働者の健康・安全を守り、働きやすい職場環境をととのえること。多くの個人情報も得られるため、十分な配慮が必要である。適正に個人情報を取り扱い、労働者の疾病予防に努めることが最大の職務と考える。


・定義は明解で、当職場でも 産業医を中心として 展開されており 業務から実感できる内容です。
・「経営的視点を念頭におき」については、産業看護職自身のスキルアップが必要か
・事業所の「経営的視点」は 組織内で どう把握できるのか その辺のレクチャーも必要か(当事業所は 産業医が 管理部門とパイプが強く 情報共有されている)
・産業医が非常勤、もしくは相談しにくい、看護職が一人職場などの場合、地域の支援センターを活用することも可能だが、部会としても 研修+相談窓口を開設して支援して欲しい。
・大中小事業所を問わず、 商工会議所など 経営者側が 産業保健スタッフの有用性を理解して 雇用 待遇改善を図る。

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